■字を選ぶ

文字にはいろいろな書体があります。

篆刻をするときは篆書体を使います。書道は楷書・行書・草書・・・。

篆書体は文字を彫るための書体です。篆刻用の辞書を使って自分が彫りたいと思う言葉を探したり、出典を調べます。

文字の構造を考えて、印面構成を組み立てていきます。

詩句を刻るときは墨場必携などの名言佳句集から探します。

■印面を整える

サンドペーパーで印面を磨く作業です。

印面を整えるときは、荒い100番からはじめ、細かい600番までのペーパーで仕上げます。

平らに磨くコツは、印の根元もっって、平らなところに置くことが大事です。

■検字

文字の形や意味を辞典で調べます。

特に篆書を使う場合には、時代別・様式別に整理し、文字の成り立ちについても把握するのが大事です。

■印稿作成

印材の大きさと形にあわせて、文字をどのようにレイアウトするか検討します。

このときハガキを墨で塗ったものか黒画用紙を使うとよいです。

4文字白文の場合

1.印面を押し付けて印面の輪郭線をつける

2.輪郭線を朱墨で描く

3.枠内を朱墨で塗る

4.印面の天地左右の空きをとって四等分した中に印文を書く

5.4字入れた段階で1度確認。

6.朱と墨で修正する

7.印稿の完成

■印床に印材を固定する

安定した布字・運刀のために印床を使いましょう。

印床から印材の出し方にも気をつけましょう。

あまり高いと布字しにくいのでなるべく低くします。

■布字(字入れ)

1.耐水ペーパーをかけた印面に朱墨を塗ります。

2.印稿の文字を裏返した状態を想定して、筆で逆字を書き入れます。印稿を鏡に映しながら布字していきます。

3.印面を鏡で確認して修正箇所を確認

4.朱墨と墨で修正します

5.布字終了

これは難しいと感じた方には、以下のやり方がオススメです。

  • マジック転写法

真鍋井蛙先生が考案されたやり方です。

印面をサンドペーパーで整えた後、そのままマジック転写してもよいですが、写りが悪い場合もあるので、朱墨を塗るのも有効です。

あらかじめコンビニに設置しているようなトナーのコピー機を使って印稿をコピーします。

そのコピーを余裕をもたせて切り取り、コピー側を印面に合わせます。

余分な端の紙部分を側面に折りこみ、しっかり固定します。

その上から黄色のマジックインキを塗ります。このマジックインキは?マークのマジックインキでないとなぜか字のノリが悪い

です。

マジックインキが生乾きのうちに爪や机上などで印面のコピーをこすりつけます。

少したったらコピーを外します。コピーのインクが印面に映っており、布字の出来上がりです。

さらに詳しくマジック転写法を知りたいという方は、真鍋井蛙先生の著書 超かんたん篆刻 をご覧ください。

 

  • 雁皮紙転写法

印稿の上に雁皮紙をのせ、墨筆で印稿を写しとります。

印面に印稿を写し取った雁皮紙をかぶせます。

雁皮紙の上から印面に指で水をつけます。

濡れた雁皮紙の上に紙を敷いて、印面を筆などの柄でこすります。

よくこすることで印面に雁皮紙の墨が映ります。

雁皮紙をとって布字の出来上がりです。

コピー機が手近にない場合はコチラのやり方が便利です。

■刻印

書き写した文字に沿って、印刀で刻りこみます。

運刀はひき刀と押し刀とがありますが、どちらも刻線の右側は直線的に左側は欠けてギザギザになります。

詳しくは印の刻法のページをご覧ください。

■押印

印面をキレイに洗ってから、印泥をつけて紙に押します。

1.押印する箇所の紙の表面をこすります

(紙の表面に細かい紙の繊維や荒い箇所は印泥ののりが悪くなります。)

2.印面を拭き取ります

3.軽くたたくように印泥を印面に均一につけます

つけすぎに注意!白文の場合、線が細くなります。

4.押印してから印矩をあて、印矩をあてたまま印材を離します。

5.キレイに押されていれば、印稿と比較してイメージ通りに仕上がったかを確認します

■補刀

印影をみて、刻り残しや不満なところを修正します。

もう一度押印して印影を確認します。

問題があれば、再度修正を加えます。

■側款

印の側面に作者名や作成日を刻ります。