篆刻とは、

文字通り「篆書を刻す」ことですが、さらに具体的には「石・木・銅などの印材に、篆書を用いて印を刻す」ことです。

しかし、現在では篆書以外でもかな・楷書・行書・草書・隷書などを用いても総称して篆刻としています。

「印を刻すこと」が篆刻であると言ってよいでしょう。

では、篆刻の世界で言われる「印」と我々が日常生活で使用している認印・実印などの印鑑とはどのような違いがあるのでしょうか?

篆刻の「印」には、必ず「書」としての筆意と美しさがないといけません。

筆で篆書を書いたときの筆意が、刻した文字に現れることが大事なのです。

印刀は鉄筆とも呼ばれます。刀は筆、石は紙。

筆で紙に字を書くように、鉄筆で石に書くという気持ちが篆刻において最も大切です。

刻された文字には筆勢があり、生命感と美しさにあふれたものでなければならないのです。

「篆刻」が「書道」として存在している理由はそこにあるのです。