篆刻用の朱肉は、きめが細かく泥状になっているので、印泥とよばれます。
印泥は中国製のものが多く、人気もあります。

色合いは同じ赤でもいろいろな種類があります。
「光明」 明るい朱色
「美麗」 重厚な紅系の赤
「箭鏃」鮮やかな朱色
珠票」黄色の強い朱色
など

紙に押印したときは、印泥の見た目より少し濃くなります。

印泥の分量は「両」という単位を使い、1両装で30gです。0.5両装・1両装・2両装・5両装・10両装が一般的な大きさです。
書画の落款に使う場合は、2両装くらいで十分です。

印泥の容器の中にはヘラが付属していますので、使用前にそのヘラで印泥をこねます。
こねかたは、ヘラで下からすくうようにしてこねて、団子状にすればOKです。

印泥に含まれる朱と油は分離しやすいので、保管が悪かったり、使っていないと油分が分離して腐ってしまいます。
使用の前後には、ヘラでこねて均質にするのが望ましいです。

印泥を長持ちさせるには、以下の点に注意してお使いください。

1.石の粉やホコリを入れない
2.使用前によくこねる
3.高温多湿の場所に置かない

印泥は季節によって状態が変化します。夏は柔らかくなるので、使用前に少し冷蔵庫に入れてから使ったり、冬は硬くなるので、少し温かいところに置いてから使用するとよいでしょう。